今井金箔

金沢箔を知るKANAZAWA-HAKU

断切たちきり金箔の製造工程

金箔には「縁付えんつけ金箔」と「断切金箔」の2種類の製法があります。今回は現代的な製法である「断切金箔」の特徴と製造工程をご紹介します。

断切金箔の特徴

断切金箔は急増した金箔の需要に対応するため、1960年代頃に開発されました。縁付金箔より工程が簡略化され効率的に量産できるため、価格が安く、生産量も多いため、現在の金箔の主流になっています。

箔打紙はくうちがみに機械漉きのグラシン紙を使用するため、品質が安定しています。

断切金箔の製造工程

合金の厚みが約1/1,000㎜の上澄うわずみができるまでの工程は縁付金箔と同じです。上澄から断切金箔が完成するまでの工程を中心にご説明します。

縁付金箔の製造工程 澄工程に関して詳しくはこちら

1. 澄切ずみきり

澄屋で作られた20㎝角の上澄を大小の正方形や長方形に9~12枚ほどに切り分けます。最終的に仕上げる金箔の重さを均一にするためです。

澄切り(ずみきり)

2. 仕入しきい

箔打紙に切り分けた上澄を挟んでいきます。

3. まえ

上澄が挟んである箔打紙をまとめて箔打機はくうちきで打っていきます。打ち続けると箔打紙の中の温度が上がりすぎ、金箔が箔打紙にはりついてしまいます。箔打紙を分けて熱を冷まし、冷めたら箔打機で打つという作業を繰り返し、約1/10,000㎜の薄さまで打ち延ばしていきます。

4. 箔移はくうつ

打ちあがった金箔を検品しながら切紙きりかみ(箔合紙)にうつし重ねていきます。金箔同士を重ねるとくっついてしまうため、切紙・金箔・切紙と必ず金箔の間に切紙を挟んでいきます。

5. 箔断はくた

約1,000枚の金箔を重ねたものを規定の大きさにするため、薄刃うすばで4片を切ります。断切金箔の完成です。

箔断ち(はくたち)

断切金箔ではグラシン紙の裏表にカーボンを塗ったものを箔打紙として使用します。約2,000枚積み重ねたものを箔打機で空叩き(金を入れずに紙だけ叩く)し、金箔を打てる状態にしていきます。

一覧へ戻る