今井金箔

金沢箔を知るKANAZAWA-HAKU

金箔の作り方~上澄うわずみの製造工程~

金箔の製造工程は澄工程と箔工程に分かれています。上澄とは薄く打ち延ばす前の状態のものをいい、地金から約1/1,000㎜の厚さまで合金を延ばし上澄を作る工程を澄工程といいます。今回は澄工程をご紹介します。

上澄の製造工程

1. 金合かねあわせ

金に微量の銀と銅を合わせ、約1,300度の高温で溶かし、合金をつくります。銀や銅を加える割合によって、金箔に色合いの変化が生まれます。

2. 延金のべがね

出来た合金はロール圧延機で何度もローラーがけし、約1/20㎜程度までの薄さに延ばします。帯状の延金は約5㎝角に切りそろえ、1枚ずつハトロン紙に挟み澄打機ずみうちきで打っていきます。

3. 小兵こっぺ

約13㎝角まで延ばされた状態のものを「小兵」といいます。小兵を1枚ずつ大きなハトロン紙に移し替え、再度澄打機で延ばしていきます。

4. 荒金あらがね

約18㎝角まで延ばされたものを「荒金」といいます。

5. 小重こじゅう

荒金を包丁で4等分に裁断し、「小重」と呼ばれる大きさの澄打紙に移し替えます。再度、澄打機で小重の紙いっぱいになるように叩き延ばします。

6. 大重おおじゅう

小重の大きさから一回り大きなサイズの「大重」と呼ばれる澄打紙に移し替えます。再度澄打機で紙いっぱいになるように延ばし、約1/1,000㎜の薄さにまで延ばしていきます。

7. 化粧けしょう化粧打けしょうう

大重の大きさになったものを、ハトロン紙に移し替え、軽く澄打機で打ちます。これにより、柔らかく粘りのある表面をつや消し状のサラサラな状態にし、扱いやすくします。

8. 仕上しあ

20㎝角の大きさに裁断します。上澄の完成です。

この工程以外に澄打紙を仕込む作業があります。澄打紙の原料は、ニゴと称する稲藁いなわらの穂先部分を切除した茎部分を主原料とし、こうぞを加えて漉く特殊紙で、澄屋が約1週間かけて紙仕込みを行います。
澄屋によって作りあげられた上澄は箔屋に引き継がれます。
箔工程に関して知りたい方は以下のページをご覧ください。

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