金沢箔を知るKANAZAWA-HAKU
縁付 金箔と断切 金箔~製造工程・製品の特徴の違い~
金箔には「縁付金箔」と「断切金箔」の2種類があります。
「縁付金箔 製造」は2014年に国の選定保存技術となり、2020年12月には「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」の一つとしてユネスコ無形文化遺産に登録されました。
今回は「縁付金箔」と「断切金箔」の製造工程・製品の特徴の違いについて紹介します。
製造工程の違い
製造工程での大きな違いとして、金箔を打ち延ばす時に使用する
箔打紙について
「縁付金箔」は箔打紙に手漉きの和紙を使用します。和紙に柿しぶ、卵、
「断切金箔」は箔打紙にグラシン紙を使用します。グラシン紙の裏表に刷毛でカーボンを塗り、約2,000枚積み重ねたものを、箔打機で空叩き(金を入れずに紙だけ叩く)し、金箔を打てる状態にしていきます。
箔の仕上げ方について
「縁付金箔」は金箔を1枚ずつ枠(竹製の刀)で規定の大きさに切り、金箔より少し大きな紙にはさんでいきます。金箔の間にはさむ紙も手漉きの和紙を使います。
金箔を規定の大きさに切っている様子
はさむ紙の寸法が金箔を縁どるようにひと回り大きいことから「縁付」と呼ばれる
「断切金箔」は金箔を切らずに
金箔と紙を規定の大きさにまとめて切っている様子
金箔と紙をまとめて切るため縁付金箔のような縁がない
製品の特徴の違い
「縁付金箔」は、手漉きの和紙を仕込んだ箔打紙で作った金箔であるため、和紙の表情を持つ落ちついた金箔になります。断切金箔と比較して金箔の厚みが薄いため金箔を貼った時に金箔と金箔の境がわかりにくいです。
「断切金箔」は、工程が簡略化されているため、縁付金箔と比較して安くお買い求めいただけます。機械漉きのグラシン紙の打紙なので品質が安定しています。
縁付金箔と断切金箔の製造工程に関しては以下のページで詳しく説明しています。
ぜひご覧ください。